開業資金を集めたい!資金調達の方法と比較
開業資金のための資金調達にはいくつか方法があり、それぞれ特徴を把握した上で選ぶことが求められます。
そこで今回は、開業資金のための資金調達の方法とその特徴について比較しながらご紹介したいと思います。
⑴開業資金の集め方は4つ
開業資金の調達方法は大きく分けて次の4種類があります。 ①日本政策金融公庫の新規開業資金 ②民間の金融機関からの融資 ③各種補助金や助成金 ④クラウドファンディング
それぞれ制度の概要を確認していきましょう。
①日本政策金融公庫の新規開業資金
開業資金の調達を考える際にまず候補に挙がるのが、国が100%出資している日本政策金融公庫からの借入です。
新たに事業を始める人向けに低金利で開業資金を融資する『新規開業資金』や、女性や35歳未満・55歳以上の人が事業を開始するときに利用できる『女性、若者/シニア起業家支援資金』といった各種融資制度が充実。
これから事業を始める方にまずおすすめしたい資金調達先と言えます。
②民間の金融機関からの融資
銀行や信用金庫といった民間の金融機関からの資金調達も選択肢の一つです。
新規事業者向けの融資制度を用意しているところが多いため、低金利で借入できる可能性があります。
また、銀行との取引実績を積むことができれば、融資や経営についてアドバイスを受けられることもあります。
ただし日本政策金融公庫に比べると民間の金融機関の審査は厳しいため、場合によっては融資が下りないこともあり得ます。
③各種補助金や助成金
国や地方公共団体が募集している補助金や助成金の申請が通れば返済不要の資金を得ることができます。
例えば地域創造的起業補助金(いわゆる創業補助金)の場合、一定期間内に出費した店舗賃借料、設備費、人件費、マーケティング調査費の一部が補助対象となります。
注意したいのは、上記の費用の全額が補助されるわけでは無いという点と、補助金が支給される時期。
補助金も助成金も申請から審査・支給まで長くて数か月ほどかかるため、いったん費用を自己負担する必要があります。
④クラウドファンディング
近年新しい資金調達の方法として注目されているのが「クラウドファンディング」による資金調達です。
クラウドファンディングでは専用のサイトなどを通して広く出資者を募り、支援を集めます。
出資者の興味を惹く事業やリターンが魅力的な事業であれば資金を早く集められますが、そうでない場合は全く支援が集まらないことも。
確実に資金を集めたい人にとってはメリットの少ない手段と言えます。
⑵資金調達、それぞれの特徴とは
ここからは資金調達のそれぞれの特徴について表で比較していきましょう。
注目したいのが、日本政策金融公庫の融資までの早さと資金調達のしやすさです。
国の出資による機関なので、民間の金融機関と比べて審査が通りやすくなっています。
補助金や助成金は提出書類が多く融資が下りるまで数か月かかり、クラウドファンディングは場合によっては希望する資金が集まらないなど、他の手段と比べても日本政策金融公庫が開業資金の調達先として優秀なのがわかるかと思います。
開業資金を調達する場合、特にこだわりが無ければまず日本政策金融公庫に相談・申込することをおすすめします。
⑶まとめ
ここまで、事業を始める際の資金調達の方法について比較しながらご紹介してきました。
「日本政策金融公庫から借入」「銀行など民間の金融機関から借入」「補助金や助成金」「クラウドファンディング」など多様な資金調達の方法がある中でも、日本政策金融公庫からの借入は特におすすめしたい資金調達方法です。
申込みの手順や必要書類などについてまとめた記事も有りますので、ぜひご覧ください。
【著者プロフィール】久保 智也(公認会計士・税理士)|クボトモ税務会計事務所 代表
2021年よりクボトモ税務会計事務所を設立し、税務会計顧問、資金調達支援、事業計画策定支援及びM&Aサポートを提供している。
大手監査法人にて、金融機関を中心に政府系金融機関、地方銀行等に対する監査業務に従事。また、 IFRS監査、内部統制監査、SOCR業務等にも従事していた。
大手アドバイザリー会社では、M&Aトランザクションサービスを中心に業務を提供しており、金融機関、ベンチャー企業及び事業会社に対する財務デューデリジェンス業務及び企業価値評価にも従事していた。