事業をスタートするまでに何から着手していいか分からない!という方が多くいらっしゃると思います。今回の記事では、会社設立にあたっての必要な手順や知っておくべきポイントをご紹介したいと思います。
目次
(1)会社設立の流れ
(2)会社の概要の決定
(3)定款の作成
(4)資本金の払い込み
(5)登記申請書類の作成、提出
(6)まとめ
(1)会社設立の流れ
まず、会社設立の流れを確認してみましょう。設立までのステップは大きく分けて4つに分ける事ができます。
1.会社の概要の決定
2.定款の作成
3.資本金の払い込み
4.登記申請書類の作成、提出
上記1~4までで2週間程度の期間が必要となり、登記申請書類を登記所に書類を提出してから登記完了まで1週間程度かかります。設立したい日から逆算して準備するようにしましょう!
(2)会社の概要の決定
会社を設立するにあたって最初に「会社の種類、商号、資本金等」の会社の基本的な事項を決定する必要があります。決定事項の例としては以下を参照してください。
1.商号
2.会社の種類
3.会社設立日
4.決算月
5.役員報酬
6.資本金
7.事業目的
「2.会社の種類」は4つ(株式会社、合同会社、合資会社、合名会社)あり、株式会社はその他の会社に比べて社会的信用力が高いとうメリットがありますが、その他の会社に比して設立コストが高いというデメリットがあります。税制面での有利不利はほとんどないため、信用力と設立コストを比較衡量して決めてください。株式会社の設立手続きにかかるコストは以下の通りです。
(3)定款の作成
定款は会社の名前、所在地、事業目的、資本金等について規定した会社のルールブックのようなものです。株式会社の場合、作成した定款は公証役場で認証を受ける必要があります。また、公証役場で認証を受けた定款は自由に変更できず、変更には手続きが必要ですので慎重に手続きを進めてください。
(4)資本金の払い込み
会社を設立するためには、会社のお金として銀行口座に現金を振り込む作業が必要となります。資本金は1円でも可能ですが、銀行の融資等、信用面で不利になりますので最低でも100万円以上にしたいところです。
(5)登記申請書類の作成、提出
最後に、登記申請書類を作成し、登記所に書類を提出します。そして、登記所で手続きを終えてから約2週間以内に会社の登記が完了し、「登記簿謄本」、「印鑑カード」、「会社の印鑑証明書」を受け取ることができます。これらの書類は、銀行口座の開設や、融資を受けるために必要ですので、大切に保管しておいてください。
(6)まとめ
会社設立までの流れと知っておくべきポイントをご紹介いたしました。
設立までの手続きはイメージし辛いことが多いかと思いますが、この記事を読んで少しでもスムーズに会社設立を成し遂げていただければ幸いです。
【著者プロフィール】久保 智也(公認会計士・税理士)|税理士法人Luca 代表社員
大手監査法人およびアドバイザリー会社での経験を経て、2021年にクボトモ税務会計事務所を設立し、税務会計顧問、資金調達支援、事業計画策定支援、M&Aサポートを提供。2023年10月には税理士法人Lucaを設立。
監査法人時代には、政府系金融機関や地方銀行を中心とした監査業務に従事し、IFRS監査、内部統制監査、SOCR業務などにも携わる。アドバイザリー会社では、M&Aトランザクションサービスを提供し、金融機関、ベンチャー企業、事業会社に対する財務デューデリジェンスや企業価値評価を手掛ける。