開業資金は日本政策金融公庫での調達がおすすめな理由
新規事業を立ち上げる場合、開業資金の調達という工程が欠かせません。
そこで、資金を融資で調達するなら100%国の出資によっている日本政策金融公庫での借入が断然おすすめ!
今回はその理由について詳しくご紹介していきたいと思います。
(1)日本政策金融公庫の新規開業資金とは
日本政策金融公庫では、新たに事業を始めようとしている人に向けて通常よりも好条件で融資をしていて、その制度のことを『新規開業資金』と呼んでいます。
“新規開業”という言葉が入ってはいるものの、事業開始後7年以内の方も利用することができます。
年利率も2%前後と低く、銀行のカードローンなどと比べると破格の設定です。
日本政策金融公庫は事業者の支援を目的としているため、より事業者にとって有利な条件となっているのです。
(2)日本政策金融公庫の新規開業資金がおすすめな理由3つ
①信用が無くても融資が下りやすい
銀行などの民間の金融機関は信用が無いと融資が下りないことも多いのですが、日本政策金融公庫はそれに比べると信用が無くても融資が下りやすいとされています。
元々、日本政策金融公庫自体が民間の金融機関の補助的役割を果たして事業者の助けとなる目的で国の出資によって設立された会社なので、新規事業に対しても融資をしやすい環境になっているのです。
ただし、創業計画書を提出して事業計画の妥当性や計画を遂行する能力の有無などは審査されますので、しっかりと計画を立てた上で申し込むようにしましょう。
②融資が下りるまでの期間が約1か月と短い
日本政策金融公庫の新規開業資金で借入する場合、約1か月で融資が下りるというメリットもあります。
民間の金融機関であれば約2か月から長ければ半年、補助金や助成金を申請しようとすれば着金まで数か月かかることもある点を考えると、約1か月で資金が借りられるというのはかなり早い方だと言えるでしょう。
融資の下りるスピードは開業までのスピードにも直結しますので、事業を始める場合は早めに日本政策金融公庫にも資金の相談をすることをおすすめします。
③低金利で保証料無しなど融資条件が有利
日本政策金融公庫での借入は、低金利の他にも“保証料がかからない”というメリットがあります。
民間の銀行で借入をする場合には、保証会社による保証を受ける必要があり、そのための保証料として保証会社に支払わなければなりません。
日本政策金融公庫であればこの保証料がかからないので、融資金額のほぼ全額を事業に回すことができるのです。
(3)まとめ:開業資金の調達は日本政策金融公庫がおすすめ
ここまで、日本政策金融公庫での開業資金の調達がおすすめな理由をご紹介してきました。
新規開業者でも低金利・短期間で資金が借りられ、保証料などもかからない日本政策金融公庫。
ぜひ利用を検討してみてください。
【著者プロフィール】久保 智也(公認会計士・税理士)|クボトモ税務会計事務所 代表
2021年よりクボトモ税務会計事務所を設立し、税務会計顧問、資金調達支援、事業計画策定支援及びM&Aサポートを提供している。
大手監査法人にて、金融機関を中心に政府系金融機関、地方銀行等に対する監査業務に従事。また、 IFRS監査、内部統制監査、SOCR業務等にも従事していた。
大手アドバイザリー会社では、M&Aトランザクションサービスを中心に業務を提供しており、金融機関、ベンチャー企業及び事業会社に対する財務デューデリジェンス業務及び企業価値評価にも従事していた。