女性・若者・シニアの方は必見!日本政策金融公庫の『女性、若者/シニア起業家支援資金』
近年は女性による起業が増えている他、若者やシニアによる起業も増加しています。
そこで今回は、日本政策金融公庫が実施している女性・若者・シニア向けの融資制度についてご紹介していきたいと思います。
(1)女性・若者・シニアは日本政策金融公庫で有利に借入できる
日本政策金融公庫では、女性や35歳未満の若者・55歳以上のシニア世代が事業用の借入をする際に、基準利率よりも低い特別な利率で借入ができる『女性、若者/シニア起業家支援資金』という制度を用意しています。
上記で挙げた性別・世代の起業を後押しすることで、市場全体を活性化させようという取り組みです。
(2)『女性、若者/シニア起業家支援資金』の概要
『女性、若者/シニア起業家支援資金』に該当する人は、以下の条件で事業用資金を借り入れることができます。
- 利用できる人
- 女性または35歳未満か55歳以上であり新たに事業を始める人
もしくは事業開始後7年以内の人
- 使い道
- 新たに事業を開始するため、もしくは事業開始後に必要な資金
- 融資限度額
- 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
- 利率
- 1.5~2.5%程度
- 返済期間
- 設備資金:20年以内、運転資金:7年以内(内据置期間2年)
ここで注目したいのは、利率の圧倒的な低さです。
日本政策金融公庫の基準利率は他の銀行の事業ローンの利率(14%ほど)に比べても2~2.75%と低いのですが、『女性、若者/シニア起業家支援資金』の場合、さらに利率は下がります。
返済期間については設備資金が20年以内、運転資金は7年以内の範囲で選ぶことが可能です。
据置期間とは、その間は元本返済が発生せず利息の支払いのみでよい期間のことで、資金が不足しがちな事業開始2年間に設定する場合が多いです。
ただしトータルの利息は通常返済に比べて多少高くなります。
(3)『女性、若者/シニア起業家支援資金』の詳細
『女性、若者/シニア起業家支援資金』を利用する上で、認められる資金の使い道や着金までの期間を確認しておきましょう。
①借入資金の使い道とは
借入資金の使い道として認められやすいものには、以下のものがあります。
◎設備資金:店舗を借りる際の賃貸保証金、内装工事費用、事業用の車両の購入費用や事務機器・用品などの購入費用 など
◎運転資金:仕入にかかる資金や人件費、店舗や事務所の家賃 など
事業開始前でも、直近の支払いであり領収書や振込通知などで事実が確認できる支出については融資対象の可能性があります。
事業とは関係のないプライベートな支出、資本金や増資のための支出、他金融機関への返済などのための借入は認められません。
②借入・着金までにかかる期間の目安
日本政策金融公庫は借入・着金までの期間が比較的短いというのが特徴です。
『女性、若者/シニア起業家支援資金』を利用して借入した場合、スムーズに書類や面談が進めば約1か月~1か月半ほどで着金まで進むことが可能です。
民間の銀行などでは着金まで数か月かかることもあるため、かなり大きなメリットと言えます。
(4)『女性、若者/シニア起業家支援資金』の注意点
女性や若者・シニアであればとても有利な条件で借入ができるこの制度ですが、利用する際には注意点も確認しておきましょう。
①一定程度の自己資金の用意は必要
まず、この制度で借入をする際は一定程度の自己資金を用意しておく必要があります。
最低でも借入の1/10程度、できれば1/3くらいの自己資金があると審査が進みやすくなります。
自己資金ゼロでの借入は難しいと言えるでしょう。
②事業計画をしっかり立てることが必要
日本政策金融公庫で借入をする際には、事業計画や創業計画書をしっかり作成して提出しなければなりません。
自力での作成が不安な場合は、税理士や公認会計士といった専門家に相談してみるのがおすすめです。
(5)まとめ
ここまで、日本政策金融公庫の融資制度の一つ『女性、若者/シニア起業家支援資金』についてご紹介してきました。
低利率・ハイスピードで事業資金を用立てることのできるこの制度。
条件に当てはまる女性や若者・シニアの方はぜひご利用をご検討してみてはいかがでしょうか。
日本政策金融公庫では電話やオンラインでの事前相談を受け付けているので、それを利用するのも一つの手と言えるでしょう。