サラリーマンにおすすめの年末調整で受けられる控除とは?

年末になると必要になる手続きに「年末調整」があります。会社で働いていると避けて通れない年末調整ですが、年に一度だけしか行わないので、いまいちどんな控除があるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は年末調整で受けられる控除のうち、特にサラリーマンにおすすめの控除についてご紹介していきたいと思います。 

(1)そもそも年末調整とは?

まずは、年末調整の制度についておさらいしていきましょう。会社で働いている方は月々の給与から毎月少しずつ源泉所得税が天引きされていますが、実はこの源泉所得税は概算の金額のため、一年に一度年末の時期に一年間の正しい所得税の金額を計算して精算する必要があります。この「正しい所得税額を計算して精算する」という手続きのことを「年末調整」と呼び、概算の納税額の方が多ければ還付を、正しい所得税額の方が多ければ追加で納付することになるのです。年末調整では一定の条件をクリアすると「控除」が受けられ、所得税の納税額負担を抑えることができるようになります。さっそく次の項目からおすすめの控除について確認していきましょう。 

(2)年末調整で受けられるおすすめの控除5つ

今回紹介したいおすすめの控除は以下の5種類です。
・配偶者控除、配偶者特別控除
・扶養控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・社会保険料控除
一つ一つ内容や控除されるための条件について確認していきます。 

①配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除とは、配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下の場合に受けられる控除です。 配偶者の収入が給与所得のみの場合、収入が103万円以下であれば配偶者控除を受けられます。

<配偶者控除> 
控除を受ける人の
合計所得金額
控除額(一般の控除対象配偶者) 控除額(老人控除対象配偶者)
900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円
配偶者の給与収入が103万円を超えてしまった場合でも、201.6万円未満であれば給与者の所得金額に応じて「配偶者特別控除」を受けることが可能です。配偶者特別控除額は1万円から38万円までと幅があり、控除を受ける本人や配偶者の所得金額が多いほど控除額は低くなっていきます。 

②扶養控除

配偶者以外に年間の合計所得金額が48万円以下の扶養親族(子や親など)がいる場合、一人につき38万円の扶養控除を受けることができます。 また、特定の条件に該当すれば控除額の上乗せがある為、毎年該当する人がいないか確認をしてみましょう。
・特定扶養親族(19歳以上23歳未満):扶養控除額は63万円
・70歳以上かつ同居している扶養親族:扶養控除額は58万円
・70歳以上かつ同居していない扶養親族:扶養控除額は48万円 

③生命保険料控除

一年間のうちで支払った生命保険料のうち一定金額まで「生命保険料控除」として控除を受けられます。「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の区分ごとに控除限度額が設定されていて、平成24年以降に締結した保険契約の場合は最高で12万円まで控除が可能です。 

④地震保険料控除

生命保険料と同様、地震保険料や経過措置対象となる長期損害保険料も控除の対象です。支払った地震保険料のうち5万円までが控除対象となります。

⑤社会保険料控除

健康保険料や介護保険料、国民年金保険料、厚生年金保険料を給与天引きとは別で支払った場合、社会保険料控除として控除できます。社会保険料控除の対象となるのは、支払った金額の全額。扶養している家族の分も対象となりますが見逃されやすいため、確認してみてはいかがでしょうか? 

(3)控除をしっかり行い正しく納税・還付しよう

ここまで、サラリーマンにおすすめの年末調整の控除についてご紹介してきました。特に最後にご紹介した社会保険料控除は全額が控除の対象となり税金をかなり抑えられます。反対に控除を忘れると余計に所得税を支払うことになってしまいますので、忘れずに控除し正しい所得税を納めたいものです。